だいぶ間が空いてしまいました.
まとまった時間が無いとパッド交換や調整ができないので,ほとんど一月かけての仕事になっていますが,マークVIIのパッド交換やっと終了しました.
作業にもだいぶ慣れてきましたが,今回はパッドの交換だけでなく,結構錆びたり汚れていたので,クリーニングしながらの作業でした.その分時間もかかったのですが,結構きれいになりました.
一応,アメセルのオリジナルラッカーですので,あまり無理をしないようにしましたが,今回使ったPGW(Pro Guard Wax)がかなり良い印象です.
以前試したさび取りでは,さびは驚くほどよく落ちますが,同時にさびに近接したラッカーもすこしげてしまいました.PGWはサックスに付属してきた譜面台のさびで試したところ赤茶けたさびが奇麗にとれたのでそれなりに期待はしていましたが,ラッカーを傷めることなくさびの部分がとれています.ワックスでもあるので表面保護の効果も期待できるのではと考えています.(ちなみにYahooオークションで手に入れました.ケミックス株式会社から直接買うこともできるみたいです.ホームページがあります.)
処理前(本体の色合いの違いは写真でやや強調されています.)
処理後
リークのコントロールはまだまだ難しいとは思いますが,だいぶコツがつかめてきました.白蝶貝がついてないキーはキーを直接温めてパッドの微調整も可能ですが,白蝶貝が付いているキーは焦がさないように気をつけながらの作業となり,結構コントロールが難しい気がします.
スペーサー(ホームセンターで売っている,ステンレスの小さなアングル)を使って微妙なキーの傾きを調整します.
それと同時にパッドツールを使ってパッドの部分を温めてパッドにトーンホールの形をつけるわけですが,試行錯誤したところでは,パッドを温めるのではなくトーンホール側を温めたほうが効率が良いように思います.いずれにしてもパッドツールを温めすぎるとパッドを焦がして再び交換するはめになりますので注意が必要です.
パッドツール (一部だけ.大きいサイズのツールもあります.)
(キーカップごとパッドを温めて,トーンホールに押し当てても同様の効果が見られますが,この作業はシュラックを溶かしてパッドとキーカップの関係も若干変わりますので,必要十分なシュラックをつけている場合は良い方法と思います.ただし,白蝶貝のキーを焦がさないようにするのが結構大変です.直接火があたらないように保護し,温度が上がりすぎないように濡れタオルなどを用意して,すぐに冷やせるようにしておいたほうが良いかもしれません.)