それなりの経年変化でコルクやフェルトが一部不十分だったようで,特にオクターブキーとの連動部分に問題がありました.写真のように本来はあるべきコルクが外れていたみたいでした.
通常の状態 オクターブキーを押した状態
そこで,ここにコルクを取り付けるために分解して,ついでに清掃.
外したロッドは古い油で汚れていますので,まずは清掃ということで,使い古しのシャツにライターオイルを染ませて油をふき取ります.次いで,分解して外したキーのほうも清掃するわけですが,モールにライターオイルを染ませて中を通します.汚れがついてきますので,モールの汚れをふき取ります.これの繰り返しですべてを清掃します.
写真を撮り忘れたのですが,キーロッドとキーがややきつめで動きが悪かったので,調整しました.
具体的にはロッドを電気ドリルに取り付け,ロッド先端にミシン油と研磨剤をつけます.それをキーに差し込んで,キーを手で押さえた状態でロッドをドリルで回転させすり合わせを行います.スムーズに動くようになったら,汚れた油を取り除くのと同じ要領で研磨剤などを取り除きます.
次にコルクの取り付けです.コルクシートに接着剤を塗り,キーのコルクを接着する面にも接着剤を塗ります.この接着剤はボンドの一種で,サックスのリペアキットに付属していたものを使用していますが,同じ系統のボンドはDIYの店にもあるようです.(合成ゴム系・溶剤形接着剤でよいと思います)ボンドが指につかないぐらいまでに乾燥したら張り合わせて,キーからはみ出したコルクをカットします.
あとは組み立てですが,ロッドやキーにキーオイルを塗布し組み立てます.
最後に取り付けたコルクの調整が必要ですが,これには細長い短冊状に切った紙やすりを使います.コルクの部分に紙やすりを挟み,軽くキーを抑えて紙やすりがコルクにあたっていることを確認して,紙やすりを引きます.これにより,コルクが少しずつ削られますが,コルクがちょうどいい厚みになるまで繰り返します.削りすぎると,コルクの取り付けからやり直しになるので,削りすぎないように注意が必要です.